「婚活も、人生経験だから」。ピアノ教師と事業家の武田ご夫妻が実践する、人の成長を見守る婚活支援

婚活を、結婚相手を探すだけではなく「人が成長する人生経験」と捉えるLuckBridalClubの武田憲暁さん・眞由美さんご夫妻。人を見る視点も、言葉をかけるタイミングも異なる二人が、会員の自己理解や気づきをどのように支えているのか。成婚の先まで続く人生を見守る、武田ご夫妻の婚活支援について伺いました。

〈聞き手=笠原 佳介〉

今回話を聞いた人

武田憲暁
武田 憲暁
Noriaki Takeda

株式会社LUCK / 代表取締役

株式会社LUCK代表取締役。結婚相談所LuckBridalClubの運営に携わるほか、はんこ店など複数の事業を展開。事業経営や人材との関わりで培った経験を生かし、婚活にとどまらず会員の仕事や人生についても相談に乗りながら支援している。

今回話を聞いた人

武田眞由美
武田 眞由美
Mayumi Takeda

LuckBridalClub / 代表カウンセラー

茨城県つくば市を拠点とするLuckBridalClubの仲人。約30年にわたりピアノ教師として子どもから社会人まで幅広い生徒の成長に携わった後、夫の事業を手伝う中で多くの人と出会い、結婚相談所を開設。現在は一人ひとりの気持ちに寄り添いながら婚活を支援している。

26歳でLuckBridalClubに入会し、約4カ月で成婚した男性がいる。

活動中、彼が二人の女性の間で迷っていたときのこと。話を聞いた武田憲暁さんは、そのうちの一人の女性とのご縁について、結婚後に苦労する可能性を感じ、かなり強く止めたという。

憲暁さんの支援は、ときに「押しが強い」と受け取られることもある。それでも、本人にとって必要だと思えば、あえて耳の痛いことまで伝える。

男性はその後、もう一人の女性と結婚した。3年ほど経った今では、「あの時、言ってもらってよかった」と振り返っている。

取材の前日には、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、武田さんご夫妻のもとを訪ねてきた。

以前、「赤ちゃんが生まれたらプレゼントを買ってあげる」と何気なく交わした約束を男性は覚えていた。欲しい抱っこ紐の写真と値段まで送られてきて、ご夫妻は笑いながらプレゼントしたそうだ。

彼にしてみれば、ここからが人生のスタートだったから。本当にありがたかったって言ってくれて

そう話すのは、LuckBridalClubで仲人を務める武田眞由美さんだ。

武田ご夫妻が見ているのは、「結婚できるかどうか」だけではない。

人と出会い、迷い、断られる。ときには自分の思い込みや弱さにも向き合う。そうした婚活の時間そのものを、一人の人間が変わっていくための人生経験として捉えている。

長年ピアノ教師として生徒と向き合ってきた眞由美さんと、会社員生活を経て、ペット関連事業やハンコ店などさまざまな仕事に携わってきた憲暁さん。

異なる道を歩いてきた二人は、婚活者の何を見て、どのように成長を支えているのだろうか。

「婚活も、人生経験だから」――武田ご夫妻が成婚だけをゴールにしない理由

笠原

お二人は、会員さんに婚活を通してどうなってほしいと思っていますか?

武田 憲暁さん

成長してほしいよね。

武田 眞由美さん

私もそうですね。婚活っていうのも人生経験なので、それを通して人間的に成長して、視野も広くなってほしいなと思います。

笠原

「結婚してほしい」だけではなく、その過程にも意味があると。

武田 眞由美さん

そうですね。婚活を始めると、今まで会わなかったような人とも会うようになりますよね。

お見合いをしたり、お付き合いしたりする中で、付き合う人が変わることもあるし、自分自身の考え方が変わることもあると思うんです。

もちろん結婚にはつながってほしいですけれど、その途中で経験することも、その方にとって大事なんじゃないかなと思います。

武田 憲暁さん

俺らは年上だから、会員さんを見ていると「ああ、成長したな」って分かることがあるんだよ。

この間も、ある会員さんが「ここで成長させていただきました」みたいなことを言っててさ。

笠原

本人自身も、自分が変わったことを実感しているんですね。

武田 憲暁さん

そうそう。

人生なんて、何か一つうまくいかなかったからって、そこで終わるわけじゃないだろ。それも経験だと思えばいいんだよ。

終わるのは死ぬ時だから。それまでは、いろんなことを経験した方がいいと思うんだよね。

武田 眞由美さん

婚活も同じだと思います。うまくいかなかったことがあったとしても、それで全部が無駄になるわけではないですから。

その経験で見えるものが変わることもありますしね。

笠原

成婚という結果だけを見るのではなく、その人が婚活を通して何を経験して、どう変わったかまで見ているんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。視野が広がってほしいというのは、すごくありますね。

武田さんご夫妻
武田さんご夫妻

ピアノ教師と事業家。違う人生を歩んだ二人だから、見えるものが違う

笠原

お二人のお話を聞いていると、同じ会員さんを見ていても、少し視点が違いますよね。

武田 眞由美さん

そうですね。私はもう少し、その時の会員さんの感情を見る方なのかなと思います。

話を聞いて、「今こういう気持ちなんだろうな」と考えながら、まずは寄り添って聞くというか。

主人は判断がすごく早いんですよ。先が見えちゃうというか。

武田 憲暁さん

俺は昔から人を観察するのが好きだったんだよ。本当に小さい頃からね。

話していると、「この人はこういうところがあるな」って感じることがある。

笠原

それは、これまでの仕事の経験も影響しているんでしょうか。

武田 憲暁さん

それもあるだろうね。会社員は10年くらいやって、それからはいろんなことをやったから。

ペットのホテルとか老犬ホームとか、トリミングスクールもやったし、ハンコ屋もやった。

武田 眞由美さん

ペット関係の事業はかなり大きくやっていたんですよ。会員制のサロンで、登録してくださった方もたくさんいました。

武田 憲暁さん

一番多い時で4,200人くらいだったかな。ホテルも60匹くらい泊まれるようなところで。

だから、いろんなお客さんにも会ったし、人を雇ったりもした。長年生きてりゃ経験値もつくじゃん。いろんな人を見るから。

笠原

今も結婚相談所以外の相談に乗ったり、事業を始める人の面倒を見たりされていますよね。

武田 憲暁さん

そうそう。シェアオフィスに入っている人の相談に乗ったりもする。

俺自身、何が本業なのかよく分からないくらいいろんなことをやってるから(笑)。

でも、違うことをやると、また別のところが見えてくると思うんだよ。

一つのことだけずっとやっていると、分からなくなることもあるじゃん。

笠原

一方で、眞由美さんは長くピアノ教師をされていたとのことですが、どんな先生だったんですか?

武田 眞由美さん

どんな先生だったんでしょうね(笑)。でも、言わなければいけないことは言っていたと思いますよ。

小さいお子さんから大学生くらいまで教えていました。家で教えていた頃は近所の子が多かったので、最初から生徒さんや親御さんと親しくなることも多かったですね。

小学生の生徒さんの一人が、私が教室の生徒を募集しようとしていた時に、「先生、私がポスター描いてあげる」って、何枚も作ってくれたこともありました。

笠原

生徒さんとの距離も近かったんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。

それと、ピアノを教えていると、その子が今どんな感情なのかが、弾き方に出ることがあるんです。

怒っている時なんかは、すごく乱暴な弾き方になったりします。中学生、高校生くらいになると特に。

今も会員さんと面談していると、話している内容だけではなくて、「今、この方はこういう気持ちなのかな」と感じることがあります。

電話でも分かる時はありますけれど、やっぱり直接お会いして話した時に感じる部分もありますね。

笠原

そういう感情が見えた時は、すぐに言葉をかけるんですか?

武田 眞由美さん

いえ。ほっとくしかない時は、ほっとくこともあります。

ピアノを教えていた時もそうでした。その時その時で、言った方がいいこともあれば、本人が落ち着くまで待った方がいい時もあります。

もちろん、直した方がいいことがあるなら、嫌でも言い続けなくてはいけないこともありますけれど。

武田 憲暁さん

女房は言い方が優しいんだよ。

武田 眞由美さん

そうかな(笑)。

武田 憲暁さん

俺は、ちゃんと言わなくちゃいけないと思ったら「何やってんだよ」ってなっちゃうから(笑)。

笠原

眞由美さんは感情を近くで見て、憲暁さんはその先を早く見る。そういう違いがあるんですね。

武田 眞由美さん

そうかもしれないですね。

最近は、以前は私だけでしていた入会時の面談にも主人が入るようになったんです。同じ方を二人で直接見ておくのは、やっぱりいいと思います。

女性から見るのと男性から見るのでも違いますし、主人が気づくことと私が気づくことも違いますから。

「今、伝えるか」「本人が気づくまで待つか」――二人で見守る成長のタイミング

笠原

そうした見方の違いから、お二人で意見が分かれることもありますか?

武田 眞由美さん

最初の頃はありましたね。

主人は先が見える分、結論をすごく早く伝えるんです。

でも、会員さん自身にまだ経験があまりないと、「このままだとこうなるよ」と言われても納得できないことがあるんですよね。

だから私は、「まだそこまで言わなくてもいいんじゃないかな」と思うこともありました。

武田 憲暁さん

俺は早いよ、結論は。

武田 眞由美さん

本当に早いです(笑)。

でも、後になって会員さん自身が経験してから、「あの時、言ってもらってよかったです」と言ってくれることもあるんですよ。

先ほどお話しした26歳で入会した男性もそうでした。

笠原

4カ月ほどで成婚された方ですね。

武田 眞由美さん

はい。

お二人の女性と並行してお会いしていて、どうしようかと迷って電話をくださったんです。

その時、主人が一方のご縁について話を聞いて。

武田 憲暁さん

結婚した後に大変になると思ったんだよ。だからかなり強く止めた。

その時は、もう「絶対ダメだから」って言ったよな。

武田 眞由美さん

本当に「絶対ダメだから」って(笑)。

会員さんも切羽詰まって電話してきていたので、その場ではかなり強く伝えていましたね。

でも、最終的にはもう一人の方と結婚して、後になって「あの時言ってもらってよかった」と言ってくれました。

武田 憲暁さん

後で相談所の口コミも書いてくれたんだけど、「押しの強い仲人がいる」みたいなことまで書かれたんだよ(笑)。

武田 眞由美さん

その頃はそう感じていたんでしょうね。

でも3年経って、昨日は赤ちゃんを連れて遊びに来てくれて。

笠原

成婚後も連絡が続いていたんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。

以前「赤ちゃんが生まれたら何か買ってあげる」と話していたのを本人が覚えていて(笑)。

「まだ抱っこ紐を買っていないから、これが欲しいです」って、写真と値段まで送ってきたんです。

武田 憲暁さん

俺は言った覚えなかったんだけどな(笑)。「分かった、分かった」って。

武田 眞由美さん

でも、やっぱり彼にしてみれば、結婚してからが人生のスタートだったんでしょうね。本当にありがたかったって言ってくれて。

随分大人になったなと思います。

笠原

一方で、早く強く言えば変わるとは限らない事例もありますよね。

武田 眞由美さん

ありますね。

例えば、タバコを吸っている会員さんがいました。

入会した頃から、「喫煙は婚活では不利になりやすいですよ」と伝えていたんです。

でも最初は、「タバコをやめるくらいなら婚活をやめます」というくらいでした。

武田 憲暁さん

言っても聞かないんだよ(笑)。

武田 眞由美さん

何回かは言いました。でも本人はやめなかったんです。

お見合いを申し込んでも、なかなか受けてもらえない。そういう経験を繰り返していくうちに、本人も少しずつ気づいていったんだと思います。

だから私もしばらく、タバコについて言わないようにしていたんです。

そうしたら、この間の面談で本人から、「禁煙外来に行って、もうタバコが嫌になりました」って。

笠原

自分から行ったんですか。

武田 眞由美さん

そうなんです。

自分で気づいて、自分から動いた。そこはすごいなと思いました。

笠原

26歳の男性には、早い段階で強く言ったことが結果的に本人のためになった。

一方で禁煙については、本人が経験して、自分で必要性に気づくまで待ったんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。経験しないと分からないこともありますし、同じことをずっと言い続ければいいわけでもないと思うんです。

武田 憲暁さん

人によるよな。

笠原

「何を伝えるか」だけではなく、「いつ伝えるか」も見ているんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。それはあると思います。

婚活で最初に向き合うのは、相手ではなく「自分」

笠原

憲暁さんは、婚活者に大切にしてほしいことはなんですか。

武田 憲暁さん

「自分を知る」だな。

自分のことが分かっていないと、自分にどういう相手が合うのかも分からないんだよ。

自分が何を求めているのかが分からないまま、相手だけ探してもしょうがないじゃん。

自分と全然合わないような人ばかり選んで、「決まらない、決まらない」ってなる。

笠原

「自分を知る」とは、具体的にはどういうことでしょう。

武田 憲暁さん

自分は何ができて、何ができないのか。

相手に何をしてほしいのかだけじゃなくて、自分は相手に何をしてあげられるのかもそうだよ。

例えば俺は料理できない。だったら料理してもらう代わりに、自分ができることをすればいい。

お互い足りないところがあるんだから。

武田 眞由美さん

自分を理解するというのは、婚活をしながら分かってくる部分もあると思います。

実際にいろいろな方とお見合いして、お付き合いして。

その経験の中で、「私はこういうところを気にするんだな」とか、「こういう考え方をしているんだな」と気づく。

笠原

最初から自己分析が完璧にできている必要はないと。

武田 眞由美さん

そうですね。

ただ、同じ考え方のままずっと繰り返していると、同じところでつまずいてしまうので。

そこで気づいてもらえるように、面談で話したり、ホームページの記事を送ったりすることもあります。

「今のあなたには、このページを読んでみたらいいんじゃないですか」と。

武田 憲暁さん

婚活についてのページをいっぱい作ってあるんだよ。

「ここ読んどけ」って送る(笑)。

笠原

すべて面談で口頭で教えるわけではないんですね。

武田 憲暁さん

そう。毎回口で説明するだけではなく、本人にも読んで考えてもらう。

武田 眞由美さん

その方自身が気づいて、自分で分かることが大事だと思います。

誰かに言われただけでは、納得できないこともありますからね。

自分が分かると、相手の見え方も変わる

武田 憲暁さん

あと、婚活では「減点方式」になっちゃダメなんだよ。

笠原

減点方式ですか。

武田 憲暁さん

お見合いして、相手に一つ気に入らないところがあったとするじゃん。

そうすると、その一つだけで全部ダメにしちゃう人がいるんだよ。

ほかに良いところが九つあっても、その一つで全部打ち消しちゃう。

俺は加点方式だから。0点から見るんだよ。

一つ良いところがあったら、「いいじゃん」ってなる。

武田 眞由美さん

面談の最初にも、「減点法で見ない方がいいですよ」という話はしますね。

実際、お見合いの感想を聞くと、「でも……」から始まる方もいますから。

笠原

「ここが良かった」ではなく、「でも、ここが気になって」となるんですね。

武田 眞由美さん

そうなんです。

武田 憲暁さん

「条件はほとんどないんです」って言う人もいるじゃん。

でも話を聞いてみると、いっぱいあるんだよ(笑)。

「それ、でかい条件じゃないか」って。

笠原

では、減点方式で見てしまう人に、どうやって加点方式へ変わってもらうんですか?

武田 憲暁さん

まずは勉強してもらう。

ホームページに婚活についていろいろ書いてあるから、その人に当てはまるページを送って「読んでみて」って。

武田 眞由美さん

それと、やっぱり実際にお見合いや交際を経験することですね。

経験値を積んでいく中で、「今までと同じ考え方ではうまくいかないんだ」と気づくこともあると思います。

笠原

ただ、経験しただけで自動的に変わるわけではないですよね。

武田 憲暁さん

そう。経験だけ積んで、同じことずっとやってたらダメだからな(笑)。

武田 眞由美さん

自分の考え方の癖に気づくことが大事なんですよね。

だから、面談で話をしたり、こちらから何か読んでもらったりしながら、その気づきを促していく。

笠原

婚活を通して自分を見る目が変わると、相手を見る目も変わっていく。

武田 眞由美さん

そうだと思います。

最初は欠点ばかり気になっていた方でも、少しずつ違う見方ができるようになることがありますから。

最後に選ぶのは、完璧な人ではなく「居心地のいい人」

笠原

では最終的に、結婚相手を選ぶうえで大切なのは何だと思いますか?

武田 憲暁さん

やっぱり性格だと思うよ。思いやりがあるとかね。

武田 眞由美さん

相性と、あとは「居心地」ですね。

ある程度の条件は、お互いにあると思うんです。

でも最後に決まっていくのは、居心地の良さとか、そういうところじゃないかなと思います。

笠原

婚活では年収や年齢、見た目など、分かりやすい条件に目が向きやすいですよね。

武田 憲暁さん

でも、それだけじゃ決まんないよ。

結婚したら生活だからね。

武田 眞由美さん

条件が必要ないということではないと思うんです。

でも、ずっと一緒に生活していくことを考えたら、自然にいられるとか、相手に思いやりがあるとか。

最後はやっぱり、居心地の良さが大事だと思います。

武田 憲暁さん

お互いに足りないところを補えばいいんだよ。

自分ができないことを相手がやって、その代わり自分ができることをやる。

それで50と50で100になればいいじゃん。

武田 眞由美さん

でも、100にならなくてもいいんじゃないですかね(笑)。

二人合わせて60とか70くらいになれば、それでもいいんじゃないかなって。

完璧じゃなくても、二人で一緒にやっていければいいと思うんです。

武田 憲暁さん

見てくれだけじゃないってことだよ。

恋愛と結婚は違うし、ずっと生活するなら、思いやりとか相性とか、そういうところだから。

笠原

だからこそ、相手の条件を見る前に自分を知ることや、相手を減点方式で見ないことがつながってくるんですね。

武田 眞由美さん

そうですね。

「どんな条件の人か」だけではなくて、「この人と一緒にいる自分がどう感じるか」というところも大事なんだと思います。

結婚してからも、その人の人生は続いていく

笠原

お二人にとって、「良い仲人」とはどのような存在でしょうか。

武田 憲暁さん

仲人って、その人の人生に関わる仕事じゃん。

だから俺は、どっぷり関わるタイプかな。

俺の経験で言えることだったら言う。

親が言うようなことを言う時もあるよ。その人のためになると思ったことなら。

親に言われたら頭に来ることでも、他人から言われたら、「そうなのかな」って一度考えられることもあるじゃん。

武田 眞由美さん

そういうふうになれれば、一番いいかなと思います。

笠原

実際、婚活以外の相談にまで乗ることもあるんですよね。

武田 憲暁さん

あるよ。

以前成婚した40代の男性なんかは、婚活だけじゃなくて仕事のことも随分話した。

普通、仲人って結婚させるための話だけするのかもしれないけど、俺はそうじゃないから。

武田 眞由美さん

その方は、交際中に悩んでいる時も電話をくださって。

主人はかなり真剣に「で、あなたはどうするんだ」と聞いていました。

武田 憲暁さん

「はい」って答えるからさ。

「はいじゃないだろ。どうするんだって聞いてるんだ」って(笑)。

武田 眞由美さん

私は隣で聞きながら、「ちょっと怖いんじゃないかな」と思うこともありましたけど(笑)。

その方は、主人に何か強く言われた後に、私の方へ「憲暁さん、怒ってますか?」って連絡してくることもあって。

笠原

それこそ、ご夫妻それぞれの役割が出ていますね。

武田 眞由美さん

そうですね。

主人は「ちょっと怖いお父さん」みたいな役割になって、会員さんが言いづらいことがあると私の方へ来る、ということもありました。

武田 憲暁さん

でも、その人の仕事のことまで含めて良くなってほしいから言うんだよ。

婚活だけうまくいけば、それで人生全部うまくいくわけじゃないじゃん。

笠原

会員さんは親戚みたいな感じなんですね。

武田 憲暁さん

そうだな。

会員さんのこともみんな「ちゃん」付けで呼んだりするし、成婚した後も連絡を取ったり、飲みに行ったりする。

会員だからというより、もう人として付き合ってるんだよ。

武田 眞由美さん

私たちを「兄貴」「姉さん」みたいに呼んでくれる方もいますね。

笠原

成婚後には、その方だけではなく、相手方やご家族、仲人さんとも交流が広がることがあるんですか。

武田 憲暁さん

そう、家族同士で飲むこともある。

俺はそういうの好きなんだよ。食べたり飲んだりしながら話した方が、場も和むじゃん。

それで、できればずっと付き合えるようにしたいよね。俺は死ぬまで、それなりに付き合えたらいいと思ってる。

武田 眞由美さん

そういう関係になれれば一番いいと思います。

成婚した会員さんが赤ちゃんを連れて遊びに来てくれたりするのは、本当に嬉しいですね。

笠原

婚活中だけではなく、その人が結婚した後の人生まで見ている。

武田 眞由美さん

うまくいってほしいですし、その先も幸せでいてほしいと思います。

武田 憲暁さん

結婚したら終わりじゃないからね。そこから人生が続くわけだから。

「二人合わせて60か70」でいい。婚活の先にある幸せ

「婚活を通して、成長してほしい」。

武田ご夫妻が口にしたその言葉は、仲人のアドバイスを素直に聞ける人になってほしい、という意味ではない。

自分がどんな人間なのかを知ること。うまくいかなかった経験から、自分自身の考え方の癖に気づくこと。相手の欠点ばかりを見るのではなく、良いところにも目を向けられるようになること。

そして、自分にとって居心地のよい人と、一緒に生きていく道を選べるようになること。

そこへ至るまでの変化の速度は、人によって違う。

仲人が早く言葉をかけたことで、その後の人生が変わる人もいる。一方で、何度言われても変われず、自分自身で失敗や不都合を経験して初めて動き出す人もいる。

だからこそ武田ご夫妻は、「何を伝えるか」だけではなく、「今伝えるのか、それとも待つのか」まで見ている。

長年ピアノ教師として、生徒の音や表情からその時々の感情を感じ取ってきた眞由美さん。会社員を離れ、ペット事業やハンコ店などさまざまな仕事を経験し、多くの人と関わる中で「この先」を素早く考えるようになった憲暁さん。

同じ性格でも、同じ経歴でもない。だからこそ、一人の会員を一つの角度だけで判断せずにいられる。

婚活は、結婚相手を探すためだけの時間ではない。

人と会い、断られ、迷い、ときには耳の痛いことを言われながら、自分自身を知っていく。そして、自分とは違う誰かの良いところを見つけ、一緒に生きていく方法を学んでいく。

二人合わせて60か70くらいになれば、それでもいいんじゃないかな

眞由美さんが笑いながら口にした言葉には、「100点の人間になる必要も、100点の相手を見つける必要もない」「足りない部分を抱えたまま、それでも誰かと一緒に生きていく。」というメッセージを感じた。

そのための経験の一つとして婚活があって、成婚はその終点ではない。

数年後、かつて厳しい言葉を受けた会員が、家族をつくり、赤ちゃんを連れて武田ご夫妻のもとへ遊びに来る。

武田ご夫妻が見守っているのは、婚活というその人の限られた期間ではなく、その先へ続いていく一人ひとりの人生なのだ。

luckbridalclub
LuckBridalClubさんでした

コメント

Copied title and URL